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病院の人材採用コストを2年間で70%削減する方法

この記事では、病院の人材採用コストを2年間で70%削減する方法を4つ紹介します。

「採用した医師が定着せず困っている」「求めているような人材が集まらない」と悩んでいる採用担当者の方は、ぜひご一読ください。

目次

病院の人材採用コストの平均は1施設あたり年間812万円

日本慢性期医療協会の調査によると、1施設あたりにかかる紹介手数料の平均は年間812万円でした。

また3割程度の施設が年間1,000万円超えの紹介手数料を負担していることがわかっています。

さらに紹介手数料の総額が年間5,000万円を超える施設もあり、病院経営を大きく圧迫しています。

なお、人材紹介手数料に関するアンケート集計結果の内訳は以下の通りです。

職種紹介会社利用率1人あたりの平均支払紹介手数料
医師31.0%2,168,925円
薬剤師32.3%1,274,950円
看護師37.4%809,615円
准看護師25.7%748,299円

特に医師の場合、直接応募以外の紹介就職は有料紹介が過半を占め、令和3年度の紹介手数料総額は1,215億円にのぼりました。

このように、病院の人材採用コストは決して安価ではありません。

そこで次項から、病院の人材採用コストを2年間で70%削減する方法を4つ紹介していきます。

参考:日本慢性期医療協会 人材紹介手数料に関するアンケート集計結果

病院の人材採用コストを2年間で70%削減する方法①非常勤医師を採用する

令和2年段階で登録されている医師の数は全国で34万人弱です。

その中で実際に転職をする可能性のある50再未満の医師は約16.5万人程度しかいないため、医療機関が深刻な人材不足に悩まされているということは想像に難くありません。

このような医師不足に対抗するためには、非常勤医師を活用するという選択肢が挙げられます。

非常勤医師の採用を推奨する理由
  • 2024年4月から働き方改革による時間外労働規制が行われるため、当直や新患外来などの業務を非常勤医師が担うことで病院運営の課題がクリアできる
  • 妊娠出産などのライフイベントを控えた女性医師を非常勤枠として確保することで医療機関と医師のwin-winな関係が目指せる
  • 柔軟な働き方を取り入れることで、いずれ勤務日数の拡大や常勤としての働き方を検討してくれる医師が現れることも期待できる

非常勤医師の活用についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

関連記事:医師不足の時代に生き抜くための医療機関が取るべき人材戦略

病院の人材採用コストを2年間で70%削減する方法②発信に力を入れる

病院側が発信に力を入れることも、人材採用コストを削減することに繋がります。

というのも、転職を考えている医師は病院の内部事情に関心を持っていることがわかっているためです。

リクルートドクターズの「満足できる転職」アンケートの「転職先候補の情報収集で、もっと情報収集すればよかったと思う点は何ですか?」という設問では、以下のような回答結果が出ています。

回答結果割合
報酬について22.2%
職場の雰囲気について22.2%
労働条件について18.4%
方針や理念について13.2%
経営状況や将来性について12.8%
役職や立場について10.9%
診療体制や学閥について10.2%
症例や資格取得について4.5%
その他2.6%

参考:リクルートドクターズキャリア「「満足できる転職」アンケート

上記の結果から、年収などの条件面と同じくらい病院の内部事情を知りたがっているということがわかります。

そのため病院の取り組みなどを積極的に発信し、医師からの認知を高めていくことが大切です。

関連記事:コストを下げ定着率を上げる「勝てる」医師の採用方法

病院の人材採用コストを2年間で70%削減する方法③採用ペルソナを設定する

病院の人材採用コストを2年間で70%削減する方法として、採用ペルソナを設定することも挙げられます。

採用ペルソナとは、採用したい具体的な人物像のことを言います。

採用ペルソナで設定すべき項目
  • 性別
  • 年齢
  • 居住地
  • 家族構成
  • 学校や前職での経験
  • 趣味
  • ライフスタイル
  • 価値観
  • 自院が業務で期待する役割

採用ペルソナを設定することで、「転職者に自院のどのような点を発信すべきか」という点が明確になります。

また組織内での共通認識が持てるようになるため、後述するリファラル採用を目指す際にも役立ちます。

採用ペルソナについてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご一読ください。

関連記事:医療者の採用時に必ず行うべき「ペルソナ」と設定と活用方法

病院の人材採用コストを2年間で70%削減する方法④リファラル採用を取り入れる

リファラル採用を取り入れることも、病院の人材採用コストを削減することに繋がります。

リファラル採用とは、自院に勤務しているスタッフに新たな人材を推薦・紹介してもらう仕組みのことです。

また、スポットバイトで採用した非常勤医師から推薦・紹介してもらえるよう働きかけることもできます。

リファラル採用のメリットとしては、自院のことをよく知っているスタッフからの推薦・紹介であるため、マッチング率や定着率の高さに期待できる点です。

前の項目で紹介した採用ペルソナを提示しておくことで、より自院が求める人材とのマッチングが見込めます。

ただし、採用は本来病院スタッフが行う業務ではないため、職場環境や人間関係への不満・不信感を持っているスタッフがいればリファラル採用の仕組み自体が機能しにくくなります。

そのため、スタッフから積極的に人材を紹介したいと思ってもらえるような職場作りに努めることが大切です。

またリファラル採用を始めたからといって、短期的に大きな効果が見込めるというわけではありません。

スポットバイトなど非常勤医師を積極的に活用しながら、働きやすい職場環境の整備を目指し、長期的な視点で採用に取り組むようにしましょう。

まとめ

本記事のまとめ
  • 病院の人材採用コストの平均は1施設あたり年間812万円であり、病院の経営を大きく圧迫している
  • 病院の人材採用コストを削減するためには、非常勤医師を採用すること、発信に力を入れること、採用ペルソナを設定すること、リファラル採用を取り入れることの4つ
  • このような高い定着率に期待できる新しい採用方法に目を向けることで、病院の人材採用コスト削減に繋がる

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