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コストを下げ定着率を上げる「勝てる」医師の採用方法

本記事では「医師の採用コストが上がってしまっている」「採用した医師がすぐに辞めてしまう」とお悩みの方に向けて、「勝てる」医師の採用方法を紹介します。

目次

医師の採用コストは平均352万円

医師の採用コストは年々高騰しています。

福祉医療機構が2020年10月5日に発表した「病院の人材紹介手数料」に関するアンケート調査の結果では、人材紹介会社が病院に医師を紹介した場合の平均紹介手数料は352万円でした。

また、医業収益に占める支払い手数料総額の比率は徐々に上がっており、平均で0.38%を占めていました。

一般病院の医業利益率は平均1.8%(2018年度決算)とも言われており、これらの高い紹介手数料は、元々低い利益率である病院の経営を圧迫しています。

人材紹介会社の紹介手数料はおよそ年収の2割で設定されていることが多いですが、近年業界全体として、この紹介手数料水準を引き上げようとしている動きがあり、今後もますます医師の採用コストは増加していくものとみられます。

紹介手数料が高いという不満を訴えても安くなるわけではないので、採用する側が自ら認識を改め、人材紹介会社を賢く利用することが今後の人材不足の時代をうまく過ごすためのポイントです。

全日本病院協会「医師の人材紹介平均手数料は352万円、看護師は76万円

人材紹介会社を取り巻く手数料ビジネスの問題点

医療者を対象とした手数料ビジネスは非常に儲かるビジネスです。

良識のある人材紹介会社が多数存在することを前置きした上で、圧倒的な売り手市場かつ採用する側にも採用ノウハウが乏しいこの業界においては、一部の悪質な人材紹介会社が暗躍する温床にもなっています。

紹介人材の離職率は6ヶ月を経過した段階での伸びが急増しています。

医師のケースでは、6ヶ月以内は2.3%であるのに対して、1年以内だと15.8%にまで跳ね上がるというデータがあります。

このデータには大きく分けて2つの原因が関係していると思われます。

1つ目は「返戻保証期間」によるものです。

一般的に人材紹介会社の紹介で採用した職員が自己都合で早期退職をしてしまった場合には、紹介手数料の「返戻保証」が設けられており、福祉医療機構が2020年10月5日に発表した「病院の人材紹介手数料」に関するアンケート調査の結果では、保証期間については3ヶ月間がもっとも多く39.4%、次いで6ヶ月間が31.0%、1ヶ月間が22.1%でした。

逆に言えば、この期間を過ぎると返金義務がなくなるため、上記のような悪質な人材紹介会社にとっては、次の転職を斡旋する絶好のタイミングになってしまいます。

手数料ビジネスにおいては、人材紹介会社にとって本当に定着する人材を紹介するメリットは限定的となってしまい、半年ごとの転職を繰り返しさせているケースも多くみられます。

2つ目は病院側が採用したい人材の人物像を定め切れておらず、人材紹介会社に求める人物像を伝え切れていないということが関係しています。

欲しい人物像(ペルソナ)をしっかりと定義し詳細な要件まで定義することで、人材紹介会社に解像度高く伝えることができます。

求めていない人材を紹介されるケースを減らすことができ、万が一そのような人材を紹介されたとしても自信を持って不採用とすることができます。

紹介人材とのミスマッチを減らすためには、病院自ら採用力を身につけ適切な人材とそうではない人材をはっきりと見極めることが重要ではないでしょうか。

医師が転職の際に欲しがっていた情報は意外にも〇〇だった

医師は転職の際に、年収などの条件面と同じくらい、病院の内部事情に関心を持っています。

リクルートドクターズが2015年7月に実施した「満足できる転職」アンケートによると、医師の転職先候補の情報収集で、こうすればよかったと思う点については、「スタッフの定着率や職場の雰囲気について」が「給与や諸手当などの報酬について」とほぼ同率で1位となっていました。

すなわち、医師は病院の外から分かる情報ではなく、内部の実態となる情報を転職の際に欲しがっているのです。

幸いにも今日、病院の取り組みについて絶好の発信テーマがあります。

それは2024年4月から施行される医師の働き方改革についてです。

どの病院も働き方改革への対応は手探りで行っているか、もしくはまだ取り組めていない病院も多々あります。

その中で実際に改革に取り組み、発信している病院はごく少数であるため、効果や変化が出ているか否かに関わらず、発信するだけで他病院との差別化ができます。

上述の通り、積極的に病院内部の情報発信を行い世の中の認知を広げることで医師の認知を増やし、関心を高めることができます。

しかし、他病院と同様に発信をしなければ、全国に8,000件ある病院、クリニックを含めると11万件もある中で、求職者がピンポイントに貴院を見つけ、応募してくることは極めて稀と言わざるを得ません。

もしくは人材紹介会社に依頼しようにも、人材紹介会社は年収に紐づく紹介手数料が高いところを積極的に紹介するため、優先的に紹介を得ようとすれば必然的に年収を引き上げる必要があります。

医師の認知を増やし、興味関心を惹くためには、病院の発信力がキーワードなのです。

リクルートドクターズキャリア「「満足できる転職」アンケート

「勝てる」医師の採用を行うためには?

病院が求める医師像を詳細に定義し、病院の自己開示をすることが何より重要なポイントです。

採用は男女に例えると「結婚」です。結婚相談所で紹介された相手をよく分からない段階で告白したとしてもミスマッチが起きることは想像に難くないでしょう。

また、自己開示をしない場合も相手からするとミスマッチの原因となります。

求める人物像を詳細に定義して、病院の自己開示を充実させることで、そこに惹かれる求職者が現れ、そうした人物こそが定着する人材となります。

もちろんそうしたお膳立てをしっかり行った上で人材紹介会社を利用することで、さらに速やかに求める人材の採用が可能となるため、人材紹介会社に対して受動的に構えるのではなく、能動的に利用することが今後のスタンスとして重要な点です。

まとめ

本記事のまとめ
  • 2020年10月5日に発表された「病院の人材紹介手数料」に関するアンケート調査の結果では、人材紹介会社が病院に医師を紹介した場合の平均紹介手数料は352万円
  • 今後もますます医師の採用コストは増加していく見込み
  • そのような中で医師を採用する方法としては、病院が求める医師像を詳細に定義し、病院の自己開示をすることが重要
  • 2024年4月から施行される医師の働き方改革に取り組み、積極的に病院内部の情報発信を行うことで医師からの認知拡大が目指せる
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